
大型犬とは一般的に成犬時の体重が25kg以上の犬種のことを指し、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバー、バーニーズマウンテンドッグや秋田犬などが挙げられます。
そんな大型犬の餌を選ぶにあたっては、動物性タンパク源の割合や脂質とカロリーのバランス、大型犬向けの成分が配合(強化)されているかに注目してフードを選んであげることが大切です。
この記事では大型犬向けのドッグフードの選び方や、大型犬におすすめのドッグフードをまとめているので、ぜひ愛犬のフード選びの参考にしてみてください。
大型犬のドッグフードの選び方
大型犬のドッグフードを選ぶにあたって、いくつか注目しておきたいポイントがあります。
順番に見ていきましょう。
動物性タンパク源が豊富に使われているか
はじめに確認しておきたいのは、動物性タンパク源(肉・魚)が豊富に使われているかです。
これは大型犬だけに限った話ではなく、肉食傾向の雑食である犬にとって肉・魚から摂り入れられる動物性タンパク質は大切な栄養素です。
その一方で、フードの販売価格が安くなるほど動物性タンパク源の割合が減って穀物の割合が増える傾向にありますが、犬は穀物に含まれている炭水化物の消化吸収が得意ではありません。
そして、穀物の割合が多い低タンパク・高炭水化物のフードは下痢や吐き戻し、涙やけの原因になりえます。
このことから大型犬には、動物性タンパク源が主原料として使われている高タンパクなフードを選んであげることをおすすめしています。
原材料一覧には使われている割合が多い順に記載されており、先頭に鶏肉や白身魚などの動物性原材料が記載されていれば、動物性タンパク源が主原料として使われているフードということになります。
ただ、中には第二原材料以降に穀物やイモ類、豆類が並んでおり、全体で見れば動物性タンパク源の割合がそれほど多くないフードもあるので、第二原材料以降と成分表のタンパク質含有量までしっかりと確認しておきましょう。
タンパク源の種類が愛犬に合っているか
特定のタンパク源がアレルギーの原因になることもあるので、タンパク源の種類にも気を配っておきたいところです。
アレルギーの原因は犬によって様々ですが、穀物の中では小麦が、肉類の中では牛肉が、豆類の中では大豆が特にアレルギーの原因になりやすい傾向があります。
このことから、小麦アレルギーの愛犬には小麦不使用(グルテンフリー)フードを、牛肉アレルギーの愛犬には牛肉不使用のフードを、大豆アレルギーの愛犬には大豆不使用のフードを・・・といったように、愛犬の体質に配慮してフードを選ぶことも大切です。
なお、最近はグレインフリー(穀物不使用)フードに注目が集まっていますが、穀物全般にアレルギーのない犬ならグレインフリーは必須ではありません。
ただ、タンパク源の種類がシンプルなフードはアレルギーの原因を特定しやすいというメリットがあるので、食に敏感でお腹が弱い愛犬にはグレインフリーフードや、動物性タンパク源が限定されたフードからお試ししてみるのもいいでしょう。
愛犬の活動量や年齢に合っているか
愛犬の活動量に配慮してフードを選ぶのも重要なことです。
大型犬はかなりの運動量を必要とする犬種が多いですが、日頃から運動時間を十分に確保できる方もいればそうでない方もいるでしょう。
また、活動量と合わせて食事量にも気を配っておきたいところです。
例えば、運動量が非常に多い活発な愛犬や、食が細くてたくさんの量が食べられない愛犬には、脂質とカロリーが高めなフードが向いています。
その逆に、それほど運動量が多くない愛犬や、食欲旺盛で食べすぎてしまう傾向のある愛犬には、脂質とカロリーが控えめなフードが向いています。
そのほかには、年齢に合わせてフードを切り替えるのもおすすめです。
具体的には、育ち盛りでたくさんの栄養が必要な子犬には成犬時よりも高脂質・高カロリーなフードを、歳をとって活動量が落ちたシニア犬には成犬時よりも低脂質・低カロリーなフードを選んであげるといいでしょう。
ちなみに、「子犬(パピー)用」や「老犬(シニア)用」といったようにライフステージ別のラインナップを取り揃えているフードもありますが、商品名が違うだけで成分バランスがあまり変わらないフードは少なくありません。
これは「大型犬用」や「小型犬用」といったサイズ別のフードにも当てはまることで、商品名の響きにとらわれず、自分の目できちんと成分表を確認しながら愛犬のフードを選ぶことが大切です。
大型犬向けの成分が含まれているか
大型犬向けの成分が配合(強化)されているかにも注目しておきたいところです。
大型犬は体が大きいこともあり、足腰や関節に負担がかかりやすいです。
このことから、【グルコサミン/コンドロイチン/コラーゲン/ヒアルロン酸/MSM(メチルスルフォニルメタン)】といった成分が配合されているフードが特におすすめです。
コスパがいいフードかどうか
小型犬や中型犬よりも1日あたりの餌の量が多くなる大型犬は、その分だけ月々の餌代も高くなります。
そのため、特別なこだわりがない限りは、セミモイスト(半生)タイプやウェットフードよりもコスパがいいドライフードを毎日の主食として与えるのがおすすめです。
ただ、ひとくくりにドライフードと言っても、商品によって価格にかなりの差があります。
もちろん、価格が上がるにつれて動物性タンパク源の割合が増えたり、アレルギーの原因になりにくいタンパク源が使われていたり、製造方法にこだわりを持って作られている・・・などの傾向があります。
とは言え、どれだけ品質にこだわってフードを選んでも継続できなければ意味がないので、ご自身の感覚で「品質と価格のバランスが取れている」と思えるフードを購入するといいでしょう。
愛犬が食べやすい粒サイズか
ドライフードを選ぶ時には、愛犬が食べやすい粒サイズかという点にも注目すべきです。
大型犬用のドライフードは中粒〜大粒サイズのものが多いですが、小粒のドライフードを少しずつ食べるのが好きな愛犬であれば、小粒のドライフードを選んであげれば大丈夫です。
また、カリカリとした食感が苦手な愛犬には、ドライフードをぬるま湯でふやかしてから与えるのも一つの手です。
不要な添加物が使われていないか
そのほかには、不要な添加物が使われていないかにも気を配っておきましょう。
人工の酸化防止剤や着色料が使われているフードは少なくありませんが、これらの人工添加物が涙やけやアレルギーの原因になることがあります。
BHA・BHT・没食子酸プロピルといった人工の酸化防止剤については、フードの酸化を抑えるために添加されるものの、ローズマリー抽出物やミックストコフェロールといった天然由来のもので代用することができます。
人工の着色料はフードの見た目をよくするために使われますが、そもそもの問題として犬は食べ物の見た目では良し悪しを判断していません。
そのため、犬目線で考えれば人工のもの、天然由来のものにかかわらず、着色料を使ってまでフードに色味をつける意味はないです。
大型犬用として評判のいいフード30種
商品名 | 主原料 | タンパク質 | 脂質 | 水分 | カロリー (100gあたり) |
気がかりな原材料 |
---|---|---|---|---|---|---|
サイエンスダイエット(大型犬用 成犬用 チキン) | トウモロコシ | 19.5%以上 | 12.5%以上 | 10.5%以下 | 368kcal | 動物性油脂 |
アーテミス(フレッシュミックス 成犬用) | フレッシュチキン | 23.0%以上 | 14.0%以上 | 10.0%以下 | 361.5kcal | – |
ペディグリー(大型犬用 ビーフ&チキン&緑黄色野菜味) | 穀類 | 18.0%以上 | 9.0%以上 | 10.0%以下 | 345kcal | チキンミール、家禽類、タンパク加水分解物、着色料、BHA、BHT、pH調整剤 |
ロイヤルカナン(大型犬の成犬用) | 肉類 | 24.0%以上 | 15.0%以上 | 10.5%以下 | 398kcal | 動物性油脂、加水分解タンパク |
ナチュラルチョイス(中型犬〜大型犬用[成犬用]ラム&玄米) | ラム(肉) | 22.0%以上 | 14.0%以上 | 10.0%以下 | 355kcal | タンパク加水分解物 |
シュプレモ(成犬用) | チキン(肉) | 24.0%以上 | 15.0%以上 | 10.0%以下 | 365kcal | タンパク加水分解物 |
プロプラン(中型犬・大型犬 成犬用) | チキン | 26%以上 | 16%以上 | 12%以下 | 約400kcal | たんぱく加水分解物 |
アカナ(ラージブリード 成犬用) | 新鮮鶏肉 | 31%以上 | 15%以上 | 12%以下 | 337.5kcal | – |
INUMESHI(フィースト 1歳以上 大型犬用) | 乾燥チキン | 25.0% | 14.0% | 8.0% | 377kcal | – |
ユーカヌバ(大型犬用 成犬用) | 肉類 | 21.0%以上 | 11.0%以上 | 9.0%以下 | 380kcal | 動物性脂肪 |
ドッグフード工房(馬肉) | 馬肉 | 20%以上 | 7%以上 | 6%以下 | 375kcal | – |
カークランド(成犬用 ラム・ライス&ベジタブル) | ラム | 23.0%以上 | 14.0%以上 | 10.0%以下 | 約365kcal | 香料 |
愛犬元気(全成長段階用) | 穀類 | 22.0%以上 | 10.0%以上 | 10.0%以下 | 約355kcal | チキンミール、ビーフパウダー、ササミパウダー、動物性油脂、着色料 |
アゼット(アレルギーケア ラム&ポテト) | ラムミール | 22.0%以上 | 12.0%以上 | 10.0%以下 | 約315.5kcal | – |
アディクション(アイランドバーズ) | 鴨生肉 | 40.0%以上 | 15.0%以上 | 10.0%以下 | 395.0kcal | – |
アボダーム(オリジナルビーフ) | 乾燥ビーフ | 21.0%以上 | 11.0%以上 | 10.0%以下 | 332kcal | – |
ヴィジョンズ(イー・ディア) | 蝦夷鹿肉 | 24.0%以上 | 5.0%以上 | 6.0%以下 | 360kcal | – |
オリジン(オリジナル) | 新鮮鶏肉 | 38%以上 | 18%以上 | 12%以下 | 386kcal | – |
カナガン(チキン) | チキン生肉 | 29%以上 | 15%以上 | 9%以下 | 376kcal | – |
キアオラ(ラム&サーモン) | ラム生肉 | 30.0%以上 | 17.0%以上 | 10.0%以下 | 約387.4kcal | – |
モグワン | チキン&サーモン | 27%以上 | 10%以上 | 9%以下 | 361.5kcal | – |
K9ナチュラル(ラム・フィースト) | 子羊肉 | 35.5%以上 | 37.0%以上 | 8.0%以下 | 572.5kcal | – |
コンボ(低脂肪) | 穀類 | 20.0%以上 | 5.0%以上 | 20.0%以下 | 290kcal | チキンミール、牛肉粉、豚肉粉、チキンレバーパウダー、動物性油脂、プロピレングリコール、pH調整剤、デヒドロ酢酸ナトリウム、膨張剤、着色料、エリソルビン酸ナトリウム、香料 |
C&R(プレミアムドッグ) | ラム肉 | 20%以上 | 8%以上 | 10%以下 | 386kcal | – |
スマック(フローラケア 成犬用) | 肉類 | 30.0%以上 | 10.0%以上 | 10.0%以下 | 360kcal | チキンミール、ミートミール、チキンレバーパウダー、動物性油脂 |
セレクトバランス(成犬用 チキン) | 乾燥チキン | 22.0%以上 | 13.0%以上 | 10.0%以下 | 350kcal | – |
ハッピードッグ(マキシ 成犬用) | チキンプロテイン | 23.0% | 13.0% | 9% | 352.0kcal | – |
ビタワン(全成長段階用) | 穀類 | 20.3%以上 | 8.0%以上 | 10.0%以下 | 350kcal | チキンミール、牛肉粉、豚肉粉、チキンレバーパウダー、動物性油脂、香料 |
ネルソンズ | 乾燥チキン | 28%以上 | 11%以上 | 12%以下 | 368kcal | – |
ファインペッツ | 鹿肉 | 27.1% | 16.0% | 8.0% | 440kcal | – |
大型犬用として評判のいい人気ドッグフード30種の主原料と主な成分値、気がかりな原材料が使われていないかを比較してみました。
それぞれの項目を見比べてみると、肉・魚(動物性タンパク源)ではなく穀物が主原料として使われているフードや、タンパク質含有量に物足りなさを感じるフードがあることが分かりますね。
また、品質・内容が不明瞭な原材料が使われているフードがあることや、不要な添加物が使われているフードがあることも分かります。
なお、“動物性油脂(動物性脂肪)”と“タンパク加水分解物(加水分解タンパク)”に関しては、使われているからといって必ずしも安全性に配慮されていないというわけではありません。
ただ、ここで取り上げた動物性油脂には具体的に何の動物の油が使われているのかと、添加されている酸化防止剤の種類が分からないことが気がかりです。
タンパク加水分解物については、製造工程の補足がされていないことが気になりました。
大型犬におすすめのドッグフード10選
これまでの内容を踏まえつつ、大型犬におすすめの10種類のドッグフードを紹介します。
なお、販売価格や原材料は調査した時点の情報を参考にしています。
ネルソンズ
通常購入時の価格 | 8,580円/5kg |
---|---|
定期購入時の価格 (1袋あたり) |
1〜2袋:7,293円(15%オフ) 3袋以上:6,864円(20%オフ) ※まとめ買い袋数に応じて割引率が変動 |
100gあたりの価格 (3袋を定期購入時) |
約137円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約474円 |
穀物 | 不使用 (グレインフリー) |
ネルソンズは中型犬・大型犬向けに販売されている中粒サイズのドッグフードで、主原料として使われているチキンの割合が全体の半分を占めています。
また、穀物・牛肉・大豆不使用のレシピを採用していることから、食に敏感でお腹の弱い愛犬にも対応しやすくなっています。
主要な成分バランスについては、高タンパク・低脂質かつカロリーは標準的な範囲になっており、適度に運動をする大型犬の主食としてぴったりです。
それに加えて、グルコサミンとコンドロイチンが配合されていることも見逃せません。
カナガン
※各項目は「チキン」のものです
通常購入時の価格 | 4,708円/2kg |
---|---|
定期購入時の価格 (1袋あたり) |
1袋:4,237円(10%オフ) 2〜4袋:4,001円(15%オフ) 5袋以上:3,766円(20%オフ) ※まとめ買い袋数に応じて割引率が変動 |
100gあたりの価格 (5袋を定期購入時) |
約188円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約593円 |
穀物 | 不使用 (グレインフリー) |
メインのタンパク源が違う3種類のドライフードがあるほか、缶詰タイプのウェットフードまで取り揃えているカナガン。
ここで取り上げているのはドライフードの「チキン」で、穀物・牛肉・大豆不使用のレシピを採用していることや、チキンの割合が全体の半分以上を占めていること、グルコサミンとコンドロイチンが配合されていることはネルソンズと変わりません。
ただ、カナガン チキンはネルソンズよりも高脂質・高カロリーなドライフードになっており、運動量が多い活発な成犬や少食でたくさんの量が食べられない成犬、育ち盛りでたくさんの栄養が必要な子犬用フードとしておすすめです。
それと、カナガン チキンはネルソンズよりも粒サイズが小さめなので、中粒〜大粒で噛みごたえのあるドライフードが苦手な愛犬用フードとしても向いています。
アカナ
※各項目は「ラージブリード 成犬用」のものです
価格/内容量 (調査時点の最安値) |
13,840円/11.4kg ※2022年10月にAmazonで確認 |
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100gあたりの価格 | 約121円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約407円 |
穀物 | 不使用 (グレインフリー) |
良質な動物性タンパク源が贅沢に使われていることに加えて、低GIの野菜・果物が使われている高タンパク・低炭水化物のドッグフードのアカナ。
それに加えて、犬種(サイズ)や年齢、食の好みや飼育環境に配慮して、原材料の内容と成分バランスを調整したドライフードを取り揃えています。
この記事で取り上げている「ラージブリード 成犬用」は高タンパク・高脂質な一方でカロリーは控えめになっていますが、高タンパク・高脂質・高カロリーなフードもあり、愛犬の食事量や運動量に合わせてフードを選べます。
なお、アカナはほとんどのラインナップがグレインフリーのレシピを採用していますが、【クラシック】というシリーズのフードにはオーツ麦(穀物)が使われています。
モグワン
通常購入時の価格 | 4,708円/1.8kg |
---|---|
定期購入時の価格 (1袋あたり) |
1袋:4,237円(10%オフ) 2〜4袋:4,001円(15%オフ) 5袋以上:3,766円(20%オフ) ※まとめ買い袋数に応じて割引率が変動 |
100gあたりの価格 (5袋を定期購入時) |
約209円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約690円 |
穀物 | 不使用 (グレインフリー) |
メインのタンパク源としてチキンとサーモンが使われていることに加えて、穀物・牛肉・大豆不使用のレシピを採用しているモグワン。
動物性原材料の割合が全体の半分を占めていることや、グルコサミンとコンドロイチンが配合されていることについては、先に紹介しているネルソンズやカナガン チキンと変わりません。
また、主要な成分バランスはネルソンズに似ていますが、中粒サイズのネルソンズとは違ってモグワンは小粒サイズのドライフードになっています。
このことから、ドライフードを早食いしてしまう傾向のある愛犬用フードとしてはおすすめしておらず、小粒のドライフードを少しずつ食べるのが好きな愛犬用フードとしておすすめしています。
シュプレモ
※各項目は「成犬用」のものです
価格/内容量 (調査時点の最安値) |
2,740円/2kg 5,171円/4kg 7,961円/7.5kg 13,200円/13.5kg ※2022年10月にAmazonで確認 |
---|---|
100gあたりの価格 (7.5kgの最安値を参照) |
約106円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約356円 |
穀物 | モロコシ、大麦、オーツ麦、玄米、粗挽き米 (グルテンフリー) |
ニュートロのシュプレモはアカナと同じように年齢や飼育環境、食の好みに配慮した様々なラインナップを取り揃えています。
(超)小型犬向けのラインナップが中心ではあるものの、ここで取り上げた「成犬用」は全犬種向けのドライフードで、やや高脂質な一方でタンパク質とカロリーは標準的な範囲に調整されています。
そして、どのフードも動物性タンパク源が主原料かつグルテンフリーのレシピを採用しており、それらの条件を満たしたプレミアムフードの中ではお手頃な値段で販売されていることが強みです。
“タンパク加水分解物”の製造工程が不明瞭な点は気になりますが、コスパのよさを評価してピックアップしました。
アーテミス
※各項目は「フレッシュミックス 成犬用」のものです
価格/内容量 (調査時点の最安値) |
4,620円/3kg 8,250円/6kg 14,960円/13.6kg ※2022年10月にAmazonで確認 |
---|---|
100gあたりの価格 (13.6kgの価格を参照) |
約110円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約495円 |
穀物 | 大麦、玄米、オーツ麦、黍 (グルテンフリー) |
原材料の内容と成分バランスの傾向が違う5つのシリーズがあるアーテミス。
この記事で取り上げた「フレッシュミックス 成犬用」については、タンパク質・脂質・カロリーが標準的な範囲に調整されており、適度に運動をする大型犬の成犬用フードとして向いています。
その一方で、高タンパク・高脂質なドライフードもあり、運動量が多い活発な大型犬にも対応できます。
また、どのフードもグルテンフリーのレシピを採用していることや、缶詰タイプのウェットフードも取り揃えており、ドライフードにトッピングしたりローテーションして与えられることも強みです。
ナチュラルチョイス
※各項目は「中型犬〜大型犬用[成犬用]ラム&玄米」のものです
価格/内容量 (調査時点の最安値) |
2,443円/2kg 4,396円/4kg 7,100円/7.5kg 12,155円/13.5kg ※2022年10月にAmazonで確認 |
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100gあたりの価格 (7.5kgの最安値を参照) |
約95円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約327円 |
穀物 | 粗挽き米、米糠、玄米、オートミール (グルテンフリー) |
ナチュラルチョイスはシュプレモと同じニュートロのドッグフードで、動物性タンパク源が主原料として使われていることや、グルテンフリーのレシピを採用していることは変わりません。
ただ、ナチュラルチョイスは中型犬・大型犬向けのドライフードも製造・販売しており、(超)小型犬用と比較するとタンパク質・脂質・カロリーが控えめに調整されています。
ここで取り上げた「中型犬〜大型犬用[成犬用]ラム&玄米」は、適度にタンパク質と脂質を含みつつもカロリーはやや控えめで、どちらかと言えば運動量が少ない大型犬の成犬向けと捉えることができます。
“タンパク加水分解物”の製造工程が不明瞭な点は気になりますが、コスパのよさが際立つプレミアムフードです。
INUMESHI
※各項目は「フィースト 1歳以上 大型犬」のものです
価格/内容量 (調査時点の最安値) |
498円/200g 2,980円/1kg 7,480円/3kg 10,980円/15kg ※2022年12月にAmazonで確認 |
---|---|
100gあたりの価格 (3kgの最安値を参照) |
約249円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約785円 |
穀物 | 米、大麦、オーツ麦 (グルテンフリー) |
INUMESHIにはコスパを重視したシリーズやタンパク源を限定したシリーズがありますが、ここで取り上げている【フィースト】は年齢と犬種(サイズ)、飼育環境に配慮して成分バランスを調整したラインナップが豊富なシリーズです。
そして、「1歳以上 大型犬」は適度にタンパクと脂質を含みつつもカロリーは高めで、運動量が多い活発な成犬や少食でたくさんの量が食べられない成犬用フードとしておすすめです。
また、グルコサミンとMSMとコンドロイチンが配合されていることも評価できます。
なお、この記事では3kgサイズの価格をもとに1日あたりの餌代を算出していますが、15kgの大容量サイズ(ブリーダーパック)なら餌代が約231円と大幅に安くなります。
(※3kgサイズの価格を参考にしているのは、体重30kgの成犬が1ヶ月程度で食べ切れる量を想定しているためです)
ファインペッツ
※各項目は「大粒」のものです
価格/内容量 (通常購入時) |
8,048円/4kg 15,991円/8kg 28,839円/16kg ※初回は4kgサイズを3,300円で購入可 |
---|---|
価格/内容量 (定期購入時) |
〜7,244円/4kg 〜14,392円/8kg 〜25,956円/16kg ※注文回数によって10〜100%の割引が適用 |
100gあたりの価格 (16kgを定期購入時) |
約162円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約535円 |
穀物 | オートミール、大麦、全粒米 (グルテンフリー) |
ファインペッツは第一原材料として鹿肉が、第二原材料として鶏肉が使われているドライフードです。
グレインフリー(穀物不使用)のレシピは採用していないものの、小麦・牛肉・大豆不使用のレシピを採用していることから、複数のタンパク源にアレルギーのある愛犬にも対応しやすくなっています。
主要な成分バランスについては、高タンパク・高脂質かつ非常に高カロリーになっており、食が細くてたくさんの量が食べられない愛犬や、運動量が多い活発な愛犬用フードとして向いています。
ちなみに、この記事では大粒サイズを取り上げていますが、原材料の内容と成分値が変わらない小粒サイズのドライフードがあるほか、グレインフリーのレシピを採用した”極”というラインナップもあります。
ロイヤルカナン
※各項目は「大型犬の成犬用」のものです
価格/内容量 (調査時点の最安値) |
5,600円/4kg 13,400円/10kg 17,500円/15kg ※2022年10月にAmazonで確認 |
---|---|
100gあたりの価格 (10kgの最安値を参照) |
約134円 |
1日あたりの餌代 (30kgの成犬を想定) |
約476円 |
穀物 | コーン、コーンフラワー、小麦、米、コーングルテン |
「犬を飼っている誰もが知っている」、と言ってもいいくらいメジャーなドッグフードのロイヤルカナン。
ここで取り上げた「大型犬の成犬用」は、適度にタンパク質を含みつつも高脂質・高カロリーなドライフードになっており、活発な成犬や少食の成犬の主食として向いています。
その一方で、穀物が主原料のドライフードがあることや、“動物性油脂”と“加水分解タンパク”の内容が不明瞭であったりなど、気になる点はそれなりに多いです。
ただ、ロイヤルカナンは流通量が非常に多く、うっかりフードを切らした時にも近場のお店で気軽に買えることも評価してピックアップしました。
迷った時にはネルソンズがおすすめ
ここまで読み進めたところで愛犬のドッグフード選びに迷った時には、ネルソンズをおすすめします。
当サイトが大型犬用のフードとして、ネルソンズをおすすめする理由は下記の通りです。
- 主原料のチキンの割合が全体の半分を占めている
- 高タンパク・低脂質でカロリーは標準的な範囲
- 大型犬向けの成分が配合されている
- 犬にとって必要のないものは不使用
- 無理なく続けやすい販売価格
まず言えるのは、ネルソンズは主原料として使われているチキンの割合が全体の半分を占めており、大型犬にとって大切な栄養素である動物性タンパク質をしっかりと摂り入れられることです。
また、高タンパク・低脂質かつカロリーは標準的な範囲になっており、適度に運動をする大型犬の主食としてぴったりです。
それに加えて、グルコサミンとコンドロイチンが配合されていることや、香料・着色料といった犬にとって必要のないものが一切使われていないこと、中粒サイズのドライフードということも見逃せません。
そして、無理なく続けやすい価格で販売されていることも評価できます。
大型犬の餌の量と回数
体が大きな大型犬だからといって、小型犬や中型犬とは餌の量の考え方が全然違うということはなく、基本的には購入したドッグフードのパッケージや冊子、公式サイトなどに掲載されている給餌量を参考にすれば大丈夫です。
ただ、どのフードの給餌量もあくまで“目安量”でしかなく、実際には年齢や体重はもちろん、飼育環境や体質によっても適量が変わってきます。
そのため、愛犬の便の固さや体重を確認しながら給餌量を微調整するようにしてください。
便の固さについては、柔らかめの便をする場合は餌の量が多い可能性があり、反対に固めの便をする場合は餌の量が少ない可能性があります。
それと、成犬の餌の回数は1日2回が目安になりますが、食欲旺盛で食べすぎてしまう傾向のある愛犬には3回に分けて様子見・・・といったように、食事量に合わせて回数を増やす分には問題ありません。
子犬の給餌量と餌の回数の補足
育ち盛りの子犬は成犬時よりもたくさんの栄養が必要なので、必然的に体重に対しての餌の量も多くなります。
そして、成長が緩やかになるにつれて成犬時の給餌量に近づけていきます。
子犬の餌の回数については、生後2ヶ月くらいまでは1日4回を、生後3〜6ヶ月くらいまでは1日3回を目安にして、1日の必要量を食べられるようにしましょう。
それ以降の子犬の餌の回数は、成犬と同じ1日2回が目安です。
シニア犬の給餌量と餌の回数の補足
シニア犬の給餌量は、成犬時の1〜2割ほど減らした量が目安になります。
ただ、5〜6歳を迎えてすぐに活動量が落ちるわけではありませんし、愛犬にこれといった変化がなければ餌の量は減らさなくても大丈夫です。
シニア犬の餌の回数に関しては、基本は1日2〜3回を目安にしつつ、食が細くなってたくさんの量が食べられなくなった時や、一度にたくさん食べると消化不良を起こしてしまう時には、餌の回数を多めにしてあげるといいでしょう。
大型犬の餌代について
大型犬は25kg以上まで成長することもあり、小型犬や中型犬と比べると月々の餌代はかなり高いです。
ただ、フードによって販売価格やカロリーが様々なこともあり、実際のところは与えるフードによっても餌代が大きく変わってきます。
そこで参考までに、大型犬におすすめの3種類のドッグフードの餌代の比較表を作ってみました。
(※どれも30kgの成犬に毎日の主食として与えることを想定しています)
ナチュラルチョイス (中型犬〜大型犬用[成犬用]ラム&玄米) |
ネルソンズ | INUMESHI (フィースト 1歳以上 大型犬用) |
|
---|---|---|---|
1日あたり | 約327円 | 約474円 | 約785円 |
1ヶ月あたり | 約9,810円 | 約14,220円 | 約23,550円 |
3ヶ月あたり | 約29,430円 | 約42,660円 | 約70,650円 |
半年あたり | 約58,860円 | 約85,320円 | 約141,300円 |
1年あたり | 約117,720円 | 約170,640円 | 約282,600円 |
必ずしも当てはまるわけではないものの、一般的にはフードの販売価格が高くなるほど動物性タンパク源の割合が増えたり、原材料の品質や製造工程にこだわりを持って作られている傾向があります。
対照的に、フードの販売価格が安くなるほど動物性タンパク源の割合が減って穀物の割合が増えたり、品質と内容が不明瞭な原材料が使われていたり、不要な添加物が使われている傾向があります。
とは言え、愛犬の餌代にいくらまでかけられるかは飼い主それぞれで違いますし、当サイトでは品質・安全性に気を配りつつも無理なく購入できる価格帯のフードを選ぶことをおすすめしています。
大型犬用と小型犬用・2つのドッグフードの違い
メーカーによっては「大型犬用」、「小型犬用」といったように、サイズ別のドッグフードを製造・販売しています。
2つのサイズ別フードについては、メーカーそれぞれの見解に基づいて成分バランスや形状が調整されているものの、厳密な決まりがあるわけではなく、成分バランス上は大型犬に小型犬用フードを与えても問題ありません。
ただ、大型犬用は小型犬用と比べるとタンパク質・脂質・カロリーが控えめに調整されている場合が多いです。
また、ドライフードの場合、大型犬用は中粒〜大粒サイズに、小型犬用は超小粒〜小粒サイズに作られていることがほとんどです。
まとめ
大型犬の餌を選ぶにあたっては、動物性タンパク源の割合や脂質とカロリーのバランス、大型犬向けの成分が配合(強化)されているかに注目してフードを選んであげることが大切です。
また、ドライフードであれば粒サイズにも注目しておきたいところですし、不要な添加物が使われていないかどうかにも気を配っておくべきです。
現在は何百種類ものドッグフードが販売されていますが、最終的にどのフードを買うのかを決めるのは愛犬ではなく飼い主である人間です。
だからこそ、愛犬のことを第一に考えた上で自分自身も納得のいくフード選びを心がけたいところですね。